エイリアンvsヴァネッサ・パラディ  「評価 C」
スタントマンのジェームスは、仕事中に起こした不慮の事故によって懲役133年の刑を言い渡されてしまった。しかし判決に不服のあるジェームスは刑務所から脱走。愛する女コンチャのいる田舎町スコットレットを目指して、決死の逃避行を開始したのだ。一方その頃スコットレットでは、町の唯一の行事である歌謡コンクールの準備のために慌しい様相を呈していた。コンチャもコンクールに出場しようと歌の練習に励んでいたのだが、宇宙からやってきた浮遊生物たちによってコンクールは惨劇の場と化してしまうのである…。
フランス出身の歌手にしてジョニー・デップの奥さん、また俳優としての活動では97年の「奥サマは魔女」などで知られるヴァネッサ・パラディ。本作はそんな彼女の映画復帰作であり、彼女が扮する田舎娘コンチャは歌って踊って闘ってと様々な活躍を見せてくれる。まさしくヴァネッサ・パラディの魅力を引き出すことに腐心したかのような内容で、彼女のファンならばきっと満足のいくことだろう。
また登場するエイリアン軍団は、頭部に小さな羽を生やした緑色のタコといった風貌で、羽を震わせて空をフワフワ飛びまわる姿は実にユニーク。それでいてクライマックスの襲撃シーンでは触手やカッターで町の住民たちを容赦なくブチ殺していくのだから、怪物好きとしてはそのギャップには思わず痺れてしまった。
ただこの映画、あまりにも過激な動物虐待ネタがあったり、何の脈絡も無く新キャラが登場して作品設定を語ったりと、作中に織り込まれる不条理系ギャグがどうも肌に合わなかった。そのため私個人の評価としては低めとなっているが、こういったギャグも許容できる人ならば、より一層本作を楽しめるのかもしれない。

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