スケルトンマン 史上最悪の死神 「評価 D」
リアリー隊長率いる陸軍のデルタ部隊は、訓練中に失踪した兵たちの行方を追って、深い森の中へと足を踏み入れた。しかしそこには彼らの命を狙う骸骨男の影が。チェロキー族の残忍な戦士オールド・ジョーが、死して尚尽きぬ自らの殺戮欲求を満たそうと、死霊となって森の人間を殺し回っていたのである…。
「シャークアタック」三部作など数多くの生物パニック映画を製作してきたNU IMAGE社による、オカルティック・コマンド・アクション・ムービー。スケルトンマンことオールド・ジョーは、骸骨の体に黒いローブを羽織った典型的な死神スタイルをしており、斧に剣に槍に弓矢と、多彩な武器を巧みに使い分けて森の人間を狩っていく。また銃弾を何発受けても全然平気という丈夫な馬を従え、あまつさえ好きなところから現れたり消えたりできるワープ能力まで備えており、その芸達者ぶりには目を見張るものがあった。しかし本作、これだけ多種多様な芸当をもっているスケルトンマンの魅力を十分に引き出せていないのが致命的だ。何よりも気になったのはシチュエーションの貧弱さで、上映時間の半分以上は森の中、しかも似たような風景の中で戦いが繰り広げられる。ワープ能力を使ってタンクローリーを横転させたり、弓矢で陸軍のヘリコプターを撃墜したりと、細かな見せ場こそあれど、これではさすがに単調さを感じずにはいられなかった。それを懸念してかクライマックスでは森の中にある化学工場へと戦いの舞台が移るのだが、その移し方があまりにも酷い。スケルトンマンが急に目の前のデルタ部隊を放り出して姿を消し、何の脈絡も無く化学工場内に現れて殺戮を開始するのである。デルタ部隊がそれを追って戦いの舞台が変わることになるのだが、何の意図があってスケルトンマンが化学工場へワープしたのかは一切不明。「このままだと映画が単調になりそうだから舞台を変えてみました」という製作者の声が聞こえてきそうな強引さには、思わず爆笑してしまった。
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