エイリアン・ゼロ 「評価 D」
北緯44度12分・西経122度41分の地点に、小さな隕石が落下した。隕石には微小な宇宙生物たちが付着しており、奴らは近くにいた人間に寄生しては、その人間の体を食い破って巨大な成体へと変貌を遂げる。この異常事態を察した軍は、宇宙生物を始末するべく、奴らのいる森林に特殊チームを派遣した。成体と化した宇宙生物たちを、銃火器で次々と片付けていくチームの面々。だが彼らはまた、森林を散策中のジャックたち一般市民までも、寄生されている惧れがあるとして始末の対象にしていた。仄暗い森の中、ジャックたちは特殊チームや寄生生物の追撃を振り切るべく必至に逃げ回る…。
最初から最後までずっと同じ森の中で進行する、チープな雰囲気に満ち満ちたSFモンスター映画。冒頭部分で最終的に生き残るメンバーの顔ぶれを明示しておきながら、本編中でそのメンバーについての掘り下げを全く行っておらず、死ぬと分かっている脇役にばかり焦点が当てられている脚本には色んな意味で驚かされた。
本作に登場する宇宙生物は、初めはヒルみたいな外見をしていて、人体に寄生し成長を遂げることによってイグアナのような姿へと変貌する。この成体は爬虫類系モンスターらしく人間を丸呑みにするなんて芸当を見せてくれたりもするが、VFXがあまりにも安っぽく、丸呑み以外の攻撃方法が前足で殴るくらいしか存在せず、それほど魅力があるモンスターとは言い難かった。ただし、こいつのデザインに対する製作者の入れ込み様には、目を見張るものがあった。何せ本作の宇宙生物たち、基本的なイグアナ体型はそのまんまではあるが、脊椎に沿って生え並ぶ角が一列だったり四列だったり、はたまた角の変わりに背ビレが付いていたりと、一匹一匹微妙にデザインが異なっているのである。作品全体がチープの塊のようなものだったから、こんな小さな拘りに並々ならない輝きが感じられてしまった。
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