リフレジレイター 人喰い冷蔵庫 「評価 D」
新婚ホヤホヤのカップル・スティーブとアイリーンは、念願の都会暮らしを実現するためにオハイオ州からニューヨークへと引っ越すことにした。新しい住居は4LDKの広々としたアパート。なんと家賃は月たったの200ドルでよいらしく、財布に余裕の無いスティーブも思わず大喜び。ところが、これには裏があった。この部屋はどういうわけか悪霊の巣窟となっており、以前住んでいた住人は霊に憑依された冷蔵庫によって食い殺されていたのである。悪霊は今度の標的としてスティーブたちに狙いを定め、冷蔵庫を操って様々な嫌がらせを仕掛けてきた。熱々できたての夫婦と背筋も凍る人喰い冷蔵庫、勝つのは果たしてどちらか!?
「世の中にゃ家や車が人を殺す映画だってあるんだ。なら冷蔵庫が人を殺したっていいじゃないかよお!」といった発想で製作されたと思われる、「そこら辺に転がっている物からクリーチャーを作ってみました映画」の一本。作品の顔である人喰い冷蔵庫はアイスやチーズなんかを餌にしたり、部屋一帯に幻覚を映したりと、あの手この手を使って部屋の住人を食い殺そうとする。この映画ではそんな冷蔵庫と主人公夫婦との戦いが軸となっているはずなのだが、何故か上映時間の殆どは都会に出た主人公夫婦の悲惨な暮らしぶりを映すのに費やされており、肝心の冷蔵庫が牙を剥く場面はほんの僅かしかないのはどうしたものだろうか。主人公夫婦の生活風景は本当にコメディ映画なのかと思ってしまうくらいに笑い所がまるで分からない上にダラダラと続くものだから、正直見ているのが辛くてしょうがなかった。そして冷蔵庫の恐怖もろくに描かれず、脇役の描写もろくにされないまま作品はクライマックスへと突入してしまう。クライマックスでは悪霊が冷蔵庫以外の様々な家庭用品にも憑依し、殺人扇風機、殺人ゴミ箱、殺人野菜カッターなどが暴れ出して阿鼻叫喚の一大虐殺ショーを繰り広げる。これでようやく面白くなるかと思いきや、まだ事件が何の解決もしていないというのに場面は急に後日談へと移り、そのままエンド・クレジット。物凄く投げやり感の漂う内容に、こちらの背筋も寒くなってくる映画である。
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