ヴァンパイアX 「評価 D」
ハリウッド市警のワシントン巡査は、夜な夜な凶行に走るスロバクら吸血鬼集団との戦いを続けていた。中国人街を拠点とするヴァンパイア・ハンターたちと知り合い、彼らの下で厳しい修行を積んだワシントン。吸血鬼の弱点である銀の剣と矢も手に入れ、いざ戦いへと赴いたが、尚もスロバクに勝つことはできなかった。それもそのはず、スロバクは吸血鬼になる以前は伝説のヴァンパイア・ハンターとして名を挙げていたのだ…。
吸血鬼と人間とが東洋アクションを用いて死闘を演じるSFホラー映画。全編ハリウッドの倉庫や民家で撮影された低予算映画なのだが、何よりもきついのは戦闘に次ぐ戦闘という作品内容にもかかわらず、役者たちの動きが尽くヘナヘナだったという点だ。パンチは腰が入っていないし、剣や棒を使った殺陣はやたらとスローで「指示された通りの手順をなぞってみました」といった感じがありありと伝わってくる。まるでアマゾネス映画でも見ているかのような壮絶すぎる戦闘シーンの数々には、手に汗握るどころか妙にほのぼのとした気持ちになってしまったぞ。またこの映画、脚本の出来も褒められたものではない。ワシントンが吸血鬼たちに捕まって絶体絶命というときにヴァンパイア・ハンターたちが駆けつけてきて、さあ戦いだと思ったら突然場所が変わってワシントンたちが話し合いをしている──なんて場面がバンバンあるのだ。幸い基本プロットが単純なので話を追うに支障はなかったが、唐突な展開の連続には戸惑うこと必至の怪作だった。
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