ナチ女収容所 悪魔の生体実験    「評価 B」
第二次世界大戦当時のドイツ。森の奥にひっそりと存在する捕虜収容所ニースでは、女所長イルサたちによる凄惨な人体実験が毎日のように行われていた。人道を無視した実験の数々に捕虜たちは泣き喚くばかりだが、それは却ってイルサたちのサディズム的欲求を満足させるだけだった。そんなある日のこと、アメリカ軍の兵士ウルフが捕虜としてニースに送り込まれてきた。イルサは彼の姿を一目見るや否やその逞しい肉体の虜になり、彼を専用の愛玩として飼うことを決める。彼女の欲するままに毎晩体を重ねるウルフだったが、収容所の惨状を知った彼は、イルサの側にいられる立場を利用して密かに他の捕虜たちと共に脱走計画を練っていた。そして計画決行の日、ウルフたちはとうとうイルサたちへ反旗を翻すが…。
ポルノ女優ダイアン・ソーンの名を世界中に知らしめ、70年代半ばにおける女体拷問映画ブームの礎にもなったカナダ映画だ。なんでも実際にナチスが行っていた実験の数々を忠実に再現したらしく(本当かよ)、陰茎切除に始まり釜茹で、股間に電気棒挿入、硫酸垂らし、太股の傷口で蛆虫培養など、拷問と変わらない悲惨な人体実験が延々と続く。これだけでも十分に重い内容だというのに、本作では救いの無いラストがその重さに更なる拍車をかけており、観終わった頃には壮絶なまでにBADな気分に染まっていること請け合いである。
ただ「悪魔のしたたり」のような純然たる拷問映画と大きく異なるのは、本作(フォロワーの作品群も含む)が拷問シーンを満載していながらもきっちりとポルノ映画であるという点だ。目を覆わんばかりの残酷ショーを繰り広げておきながら、その合間に豊満なボディがウリのダイアン・ソーン扮するイルサと肉体美溢れるウルフとの濃厚なベッドシーンを織り込み、ノーマルな男性たちの心を鷲掴みにすることも忘れてはいない。女性には全くもって救われない内容だが、男性にとってはこの点だけが微かな救いとなっている作品だった。

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