ゲルハイド 「評価 C」
マイアミ市警のピートとキャットは、町で起こった連続殺人事件の捜査を行っていた。事件の被害者は皆黒人で、熱された刃物で首を切られて殺されている。なかなか犯人の手掛かりを掴めずやきもきする二人だったが、ある日彼らの前に、ジュルーと名乗る男が現れた。マイアミ大学でアフリカの研究をしているという彼は、一連の事件はゲルハイドが起こしたものに違いないと主張する。なんでもゲルハイドとはナイジェリア出身のイボ族が崇拝する悪魔で、灼熱の大剣を振り回して人間の魂を吸いとるらしい。二人は初め、そんな話を信じようとすらしなかったものの、ジュルーはまた「あなた達もゲルハイドに狙われている」とも言ってきた。そしてその時から、ピートたちの周りには不可解な現象が次々と発生するようになったのである…。
「一撃大切断!」という宣伝コピーが素敵極まりないオカルト・モンスター映画。このコピーが示しているように、作品の主眼はゲルハイド本人よりも、彼(?)が携えている大剣の方にあると言えるだろう。大剣が振られるとスパークが発生し、対象物を瞬く間に黒焦げにしてしまう。本作はこのハッタリの利かせ具合が絶妙で、とりわけクライマックスの大剣と斧とチェーンソーが入り乱れる戦いでは大剣の魅力が最大限に発揮されており、なかなかに格好よく見せてくれるのである。
またピートが全身を切り刻まれる幻覚を見るシーンや、ゲルハイドの崇拝者たちによる儀式の現場を目撃したキャットが松明を手にした崇拝者たちに執拗に追い回されるシーンなど、視覚的に分かり易い恐怖シーンの連続で構成されており、オカルトが苦手な人にも取っ付き易い内容になっているのもこの映画の特徴。水中に潜る時に大剣を水上に出して移動しているゲルハイドの様子が鮫みたいだったり、緑色のドクロがカットインされるゲルハイドの変身シーンがあまりに陳腐だったりと笑ってしまう箇所も結構あるのだが、私としてはまずまず楽しめた映画だった。
TOP PAGEへ