ハザード・ストーム 「評価 B」
ニューオリンズにカテゴリー2のハリケーン「ライラ」が上陸。大量の雨で河川が氾濫することが予測されたので、消防署ではそれに備え、付近の刑務所に収監されている囚人たちを借りて川岸に砂袋を積む作業をさせていた。ところが作業場にやってきた囚人たち十数名のうち、シンプソンたち三名が看守の目を逃れて逃亡。彼らは付近を逃げ回った末、消防署長の妻キャシーと二人の娘がいる一軒家へと辿り着いた。シンプソンらは彼女たちを脅し、近くに来ている仲間と電話で連絡をとろうとするが…。
家を占拠する凶悪犯と家の住人とが戦いを繰り広げる、ちょうどフランク・シナトラの「三人の狙撃者」にハリケーンという要素を付加したような作品だ。三人の脱獄囚たちは同程度の軽犯罪者かと思われていた三人の罪状に思わぬ仕掛けが用意されているなど、一捻りしてある設定によって作品内で非常に生き生きと立ち振る舞っていた。またキャシーたちも、脱獄囚が見つけた手紙によって夫との絆を思い出したりと、単なる「脱獄囚に脅されている人間」という立場に留まらない動きを見せてくれるのがグッド。パッケージに騙されてハリケーンを期待しているとその扱いの軽さにガッカリさせられるが、密室サスペンスモノとしてはなかなかの秀作である。
…それにしても作品解説に書いてあった「カテゴリー7のハリケーン」って、いったい何のことだったんだろう。
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