巨大怪物 マンシング             「評価 C」
広大な湿地帯の中にぽつりと存在する小さな町、バイウォーター。この町では最近、森林地帯に足を踏み入れた住民が殺される事件が続発していた。新任の保安官カイルが事件の調査に取り掛かったものの、町に住む原住部族たちは事件を神々の祟りによるものだと言って聞かない。と言うのも近頃、湿地帯の奥深くにある聖域ダーク・ウォーターで、フレデリック・シストの石油会社が石油の採掘を始めていたのである。事件が起きるようになったのもちょうどその頃で、これは間違いなく聖域を汚された神が怒り狂っているに違いないと言うのだ。彼らの話を信じるわけにもいかず、森林地帯で真犯人を探し続けるカイルだったが、やがて彼の前にも沼の守り神・マンシングが姿を現した…。
あのアメコミ界の大御所・マーベル社提供によるホラー・モンスター映画。守り神のマンシングは何本もの樹木が寄り集まって人の形を形成している怪物で、背中の部分から生えている無数の枝を触手のようにクネクネさせている姿はいかにもマーベルチックだ。戦う時はこの触手のような枝で攻撃してくる他、相手の体内に種を植え付け、それを成長させて抹殺するという離れ業もやってのけた。また本作、夕暮れの町の荒涼とした雰囲気や、真夜中の湿地帯に立ち込める霧など、随所で使用されているおどろおどろしい演出が作品の雰囲気を一段と盛り上げているのも見所だ。登場人物が多すぎて人間ドラマが煩雑気味な上、ラストがいまいち煮え切らなかったのが残念だったが、モンスター映画としてはなかなかの秀作である。

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