マッド・アイ 悪魔のホスピタル       「評価 B」
ミッチ・ハンセン弁護士は依頼人の人妻ジュディと不倫旅行をしている最中、自動車事故によって病院に運ばれていった。彼が病院で意識を取り戻すと、既にジュディは死亡していて解剖も終わった後。バケツに入れられた彼女の内蔵を目の当たりにしたミッチは発狂し、病院のスタッフを皆殺した上、病院に火を付けて何処かへと姿を消した。それから十年後、廃墟と化した病院には、町でもすこぶる評判の悪いティナたちパンク女三人組が住み着くようになる。病院の地下水道に隠遁していたミッチにとって彼女達が奏でる音楽は雑音以外の何物でもなかったが、それでも彼は身を潜め続けていた。ところがある日、マイクたち五人の若者が病院の近くへピクニックにやってきたことから状況が一変する。彼らの一人、施設育ちの娘キキがあのジュディと瓜二つだったのだ。ミッチは彼女を独占するべく、彼女の周りにいる邪魔者たちを殺し始めた…。
男女が愛し合う妄想カットで小鳥のさえずりが聞こえてきたり、反体制を貫くパンク女を殺すシーンでアメリカ国家が流れたりなど、トロマ映画を彷彿とさせるベッタベタな演出が作中至る所で炸裂するメディカル弁護士ホラー映画。殺人弁護士のミッチは顔の右半分で筋肉が剥き出しになっているというグロテスクなデザインをしているが、冒頭の病院で暴れるシーンで素肌とマスクとの境界線がハッキリ見えているのは少々興冷めだった。
本作の見所は、殺害手段の多彩さだ。鉗子で頭を押し潰すのを始め、ドリルで額をグリグリ、電気ノコギリで頬をザックリ、剪定ハサミで足の指を一本ずつチョキチョキと、惨たらしい手口のオンパレード。殺した後は聴診器で心臓が止まっているのを確認するという病院ならではの気配り(?)も忘れておらず、この点ではホラー映画好きの心を十分に満足させてくれる作品である。

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