女帝軍団アマゾネス・ウォリアーズ 「評価 C」
太平洋上に浮かぶ孤島。ここには二百年もの歴史を持つ、女だけの国家が存在していた。彼女らは種付け用の奴隷としてしか男の侵入を許しておらず、生まれてきた男子たちは近くの男島へと流され、また不埒な目的で島に上陸した男たちは容赦なく抹殺されていった。ところがナーダンワ女王の時代になり、その伝統に揺るぎが見え始めた。対海賊用の大砲の威力不足に悩まされていた女王は、財宝目的で島にやってきたチャン・ピンたちを技術師として雇い入れたのである。一方、島の女性チュン・チーは男島の青年と惹かれ合い、密かに愛を深め合っていた。二百年も続いた国の体制が、いよいよ崩れ去ろうとしていたのだ…。
香港映画界が「アマゾネス」に触発されて製作した、お色気スペクタクル映画。キャット・ファイトにレズプレイ、そしてクライマックスにおける「女vs男」の合戦と、「アマゾネス」の主要な要素を殆どそのまんま抽出していながらも、随所に散りばめられた香港テイストによって独自の色が醸し出されていた。その最もたる例が、女性たちの動きの良さだろう。本家「アマゾネス」を始め、大抵の女族映画というものは女優たちの動きに切れが感じられず、戦闘シーンの迫力など皆無に等しかったが、香港映画である本作はアクションがだいぶ見栄えのするものになっているのだ。また倒れた人間を蘇生させる秘法「処女カンフー」なる代物が出てきて、電子音と原色の光で彩られた怪しさ抜群な蘇生シーンは観る者を笑いと感動の渦に巻き込んでくれる。他にもギャグ担当の三人組や、のっぺりした顔がこの上なく不気味な巨大女神像など、様々なところで香港テイストを感じ取ることができるこの映画。「アマゾネス」と見比べてみるのも面白いだろう。
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