インベージョン・アース 「評価 C」
町一番の映画館ジェム劇場が、地球征服を企む宇宙人たちの手によって乗っ取られた。侵略のための第九計画として地球人の知能低下を目論んだ彼らは、恋愛映画のフィルムを映写機から外すと、様々なB級SF映画の上映を開始した。観客たちは上映されている映画が突然変わっても何の疑問も持たず、ただ画面に見入るばかり。そして知らず知らずのうちに、宇宙人たちを直視しても平然としていられるほどに頭が弱くなってしまったのである。そんな中、映画をタダ見しようと映画館に忍び込んだカップル、ビリーとジェーニーは宇宙人たちの姿を目撃した。彼らの計画を知った二人は、何とかして阻止せんと奔走するが…。
「マックィーンの絶対の危機」「イット・ケイム・フロム・アウター・スペース」を始めとする三十本以上の古典SF映画がダイジェストで観られる、要するに「カミング・スーン」や「20世紀SF映画大全」にストーリーを付けたような作品がこれだ。作品解説の類は一切無いので資料的価値があるとはいえないが、宇宙人たちが上映する作品群の中には「巨大猿怪獣」や「終末の群れ」、「もぐら人間」といった日本ではビデオすら出ていないものまで混ざっているので、B級SF映画好きならば興奮すること必至である。
本編の方では侵略にきた宇宙人たちが魅力的で、激太りした仮面ライダーといった風貌の奴から、細長い口を持った奴、そして巨大な単眼とタコみたいの口を持つ首領格と、なかなかに変化に富んだ外見をしていて楽しませてくれる。古典SF映画のシーンを織り込むことによってストーリーがぶつ切れになり、本筋が余計なものとして感じられてしまうのは難点だが、この手の映画が好きならば観ておいて損は無い作品だ。
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