ブラディ・ポンポン 切り裂きチアガール     「評価 D」
アリソンたちリンド・バレー短大のチアリーディングチームは、山中のキャンプ場で行われるチアリーダー全国大会の地方予選へと出場した。アリソンはこれを良い機会と見て、前から密かに思いを寄せていた応援部長のブレントにアタックをかけようとするが、ブレントの目は競技会場に集う美女たちにばかり向いていた。度々他校の選手をナンパしては、森の中でイチャついていたのである。しかしある時、他校のチアリーダーであるスージーが手首を切られて惨殺された。事件はそれを皮切りに連続殺人へと発展し、アリソンのチームメイトたちも一人また一人と犯人の魔手にかけられていく。友人たちの死に愕然となるアリソンだったが、それを追い討ちをかけるかのように、ある晩チームメイトのコーリーが彼女にこう告げた。「事件の犯人はブレントだ」と…。
バブルの頃、大映が海外の映画制作会社に資本を投じて製作させたスプラッター映画。夢と現実の境界があやふやになったり容疑者が二転三転したりと工夫を凝らした脚本には光るものが感じられたが、陳腐な演出がそれを台無しにしていたのには困った。アリソンが白昼夢を見る場面では、夢に切り替わる際にピンク色にフェードアウトしていくというインディーズ映画並のチープな処理が行われ、また夢の内容も「キャンプ場の従業員たちがポンポンを振って、ブレントと他の女が交わっているところを応援している」とか「ブレントと仲良くしていた女をアリソンがポンポンで殴って血まみれにしていく」とか、シュール加減が微妙すぎて笑うべきなのか戦慄するべきなのか悩んでしまう。更にはスプラッター映画でありながら殺害シーンが殆ど描かれず、大抵は血糊をブチ撒けた死体が転がっているだけなので、観ていて味気無いことこの上ない。結局のところ、「グラマーなボインちゃんがムチムチシーンを全篇にわたったみせてくれるのがグーだ(原文ママ)」というビデオの解説文が一番面白い映画だった。

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