コマンドー者                「評価 D」
「金の亡者どもに鉄槌を!」なんて理念を抱えたテロ組織、自由人民軍。彼らはアメリカ各所で破壊活動を行っており、困ったCIAは凄腕の傭兵ブロックに人民軍のリーダーであるランドルフ・マクラグリンの抹殺を依頼した。ドイツ人のクラウス、凶悪犯のストローブ、武器商人の娘ニッキーといった頼れる仲間を集めたブロックは、マクラグリンに女を提供している男・マノロの協力によって組織を潰しにかかる。ところが内通者の存在により、ブロックらの行動は相手に筒抜けになっていたのである…。
「ランボー」に「ランボー者」があるように、「コマンドー」には「コマンドー者」がある。本作、さすがに主人公が単身で悪の巣窟へ殴り込みをかけるようなことはないのだが、話の馬鹿っぷりは「コマンドー」さながらであった。例えばこんな場面がある。手足を縛られ身動きが取れなくなった男に対し、人民軍の者たちは爆弾を首に提げて立ち去る。普通ならば絶体絶命のスリリングな場面になるはずなのだが、人民軍がいなくなるや否やすぐに仲間たちが駆けつけてきて、男の爆弾を外して実にあっさりと救出してしまう。恰もすぐ近くで待ち構えていたかのようであり、その脱力ぶりと言ったら半端ではない。またクライマックスの戦いでは、追い詰められて弾も出尽くしたランドルフが徐に銃を捨てる。そして「これからは肉弾戦で勝負だ!」なんて言い出して銃で武装している主人公たちに真正面から挑んでくるのだ。これだけでも十分に頭がいたいのだが、更に相手までわざわざ弾を無駄に撃ち尽くしてから銃を捨て、ランドルフとの肉弾戦に突入するとあっては笑うしかない。俳優たちが良い動きをしないのでアクション映画としては凡作なのだが、突っ込み所に溢れているので別の方向で楽しい作品だ。

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