ゾンビ・パラダイス                「評価 C」
ラファイエット通りの事件がきっかけとなり、政府はチャドの研究を永久凍結することを決定した。だが水面下では未だに研究が続けられており、新たなチャド「バッド」が研究のために田舎町ウィンター・ヘーブンの病院へと運ばれていった。その翌日、落ちこぼれの医学生スティーブは解剖用の死体を無くしてしまい、代わりを持ってくるために親友のケビンを連れて病院に侵入した。そして事もあろうにバッドを外に運び出してしまったのである。バッドはやがて動き出し、ハロウィン真っ盛りの町をパニックに陥れる…。
放射性廃棄物で突然変異を起こしたホームレスたちが人間を襲うホラー映画「チャド」の正当な続編──なのだが、二作目になって突然コメディ調になってしまったという「人喰いアメーバの恐怖2」みたいな作品だ。前作の陰惨なムードから一転、スカッと爽やかな明るい内容になっており、流血描写もなければサスペンス的要素も無い。更にチャドのデザインまで顔を灰色に塗っただけの「低コスト&低グロテスク」なものへと変更されたとあっては、最早前作の面影など微塵とないと言ってもいいだろう。しかしチャド犬の愛らしい姿や、バッドエンドなのに全然悲愴さが感じられないラストカットなど、とことん陽気な方向に突っ走った内容は好感触。学生が国家機密をいとも容易く盗み出したりと無茶苦茶な脚本であるにもかかわらず、どうも憎めない作品だった。

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