新D.N.A. 「評価 D」
年に一度、町の若者たちによって行われるサバイバルゲーム。町の裏山の決められたポイントを通ってゴールを目指し、ゴールした時間によって賞金が得られるというものだ。当然賞金欲しさに毎年若者が殺到し、今年はラッシュたち十名が参加者として名乗り出た。そして快晴の日、いよいよゲームの幕は落とされた。妨害し合い、我に我にとポイントを目指す若者たち。ところが今年のゲームにはとんでもない障害が待ち受けていた。DNA操作が生んだ魔物・チーマが、山の中をうろついていたのである…。
「D.N.A.」という邦題が付けられた作品としては六番目にあたるこの映画。若者たちの乱交パーティーと殴り合いが延々と続くストーリー性の欠片も無い内容で、おまけに効果音が小さかったり煙の出るタイミングがずれていたりと演出ミスも目立ち、映画と呼ぶのもためらわれるような悲惨な出来栄えだった。しかし、怪物チーマのケバケバしいデザインには捨てがたいものがある。基本的なコンセプトは「蟹の腕を持ったトカゲの化け物」といった感じなのだが、その色遣いの派手なこと派手なこと。原色によるどぎついカラーリングが全身に満遍なく施されていて、その姿はまるで孔雀の羽のよう。更には最期も独特で、石を持った若者たちのリンチによって殺されるという、あまりにも惨すぎるもの。いい加減なストーリーからやる気の無い演出、そして原色にまみれた派手派手の怪物と、まるでアジアの色物映画を観ているような気分にさせられる映画だ。
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