D.N.A.W 「評価 B」
バノダイン産業では、犬に遺伝子操作を施すことによって新生物を開発する研究が行われていた。その成果として生まれたのが、AE73とAE74。それぞれアインシュタインとアウトサイダーと名づけられた彼らだが、アインシュタインは従順で研究員らから可愛がられ、アウトサイダーは醜い外見から嫌われ続けていた。そんなある日のこと、アウトサイダーが暴れたことから研究所は炎上。逃げ出したアウトサイダーは動物園の警備員や警官を惨殺し、ロスアンゼルスを恐怖に陥れた。ロス市警のマーフィは、研究所の生き残りであるハドソン博士やアインシュタインと協力してアウトサイダーの行方を追うが…。
既に「ウォッチャーズ 第3生命体」を始めとする三部作として映画化されている、ディーン・R・クーンツのSF小説「ウォッチャーズ」を再映画化した作品。旧シリーズについては最終作「デス・クリーチャー 殺戮変異体」しか見ていないが、「デス・クリーチャー」の方はロー・リスク&ハイ・リターンがウリのロジャー・コーマン製作なので森を舞台にした「プレデター」ばりのアクション映画だったものの、こちらはロス市街地を舞台にした内容で予算も大分違う模様。
またこの作品でもレトリバーのアインシュタインは大活躍で、「DANGER」と書かれた雑誌の破片を出して危険を知らせたり、プッシュホンを押して電話をかけたりと、天才犬ぶりを発揮してくれる。しかし痒いところに手が届く利発さを見せていた「デス・クリーチャー」のアインシュタインに比べると、本作のアインシュタインはアウトサイダーの存在に怯えたりと少々頼りない。そこがまた可愛くもあるのだが、アインシュタインの愛嬌が目当てならば、本作よりも「デス・クリーチャー」の方を見たほうがいいだろう。
逆にアウトサイダーの方は再映画化によって魅力が増大しており、「デス・クリーチャー」ではグロテスクなカエルみたいな姿だったのに対し、本作では毛むくじゃらの獣人タイプで、よりアインシュタインの兄弟という感じが強くなった。また自身の醜さへのコンプレックスから相手の目玉を抉り出したり、母親であるハドソン博士に甘えたがったりと、意外に可愛い一面も見せて好感度は大幅アップ。そのためラストで彼が見せる男気には感動を覚えてしまった。
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