D.N.A.V(別題:海棲獣)              「評価 B」
今日も今日とて真夏のカリブ海でクルージングを楽しむカップルがいた。しかし碇を下ろしたままボートを発進させたものだから、ボートはすぐに停止してしまった。どうやら碇に何かが引っ掛かったらしい。そこでカップルが碇を上げてみると、そこには檻の開け放たれた籠がぶら下がっていた。そしてその日から、近くの島では鮫らしい謎の生物による襲撃事件が発生するようになったのである。海洋生物学者のチェイスが事件の調査を行ったところ、犯人は人間と鮫の合成生物だということが判明する。戦争用の兵器として開発されたこの鮫人間、遺伝子を提供した男の手によって籠に入れられ、長い年月にわたって海底に沈められていた。だがそれを、あのカップルが解放してしまったのだ…。
「ジョーズ」「ザ・ビースト」のピーター・ベンチリー原作によるTVムービー。登場する鮫人間は手足の付いた鮫といった感じのデザインで、同様の鮫人間が登場する「キラー・シャーク 殺人鮫」と違って全身像の映るカットが多いのが嬉しいところ。また登場時は単なるシワまみれの鮫だったのが、脱皮によって人間型に変身するというギミックも怪物好きの心をくすぐってくれる。そして何よりも秀逸なのは斬新かつ伏線を生かした退治方法で、決着の場面ではまさしく目から鱗が落ちる思いをさせられた。映画はあくまでドラマ重視のため鮫人間の出番が少なめなのは残念だが、海洋モンスター好きならば見ておいて損はない作品だ。

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