D.N.A.U 「評価 C」
ボルネオ島で病院を開業するアッシュのもとを、生物学者のウェッシンガー博士が訪れた。免疫不全の治療法を研究するために特別な甲虫を採取しに来たというウェッシンガーは、アッシュに甲虫がいる古代遺跡までの案内役を頼んだのである。そこでアッシュは彼を遺跡まで案内したが、ウェッシンガーは甲虫を回収するや否や、アッシュを残して忽然と姿を消してしまった。それから音沙汰の無いまま、二年が経過した。再び島で医者を開業していたアッシュだが、村では猟奇殺人事件が頻発していた。続々と病院に運び込まれてくる死体に頭を抱えるアッシュ。事件を調査しにきたソマーズ医師の話によると、どうやらこの犯人はウェッシンガーが甲虫の遺伝子から生成した新生物バラカイらしい。ウェッシンガーの本当の目的は免疫の研究などではなく、凶悪な生物兵器を作って軍に売りつけることだったのだ。そうと知ったアッシュはウェッシンガーに話をつけようと、彼が滞在しているという研究所に向かった…。
設定もストーリーも全然繋がっていないのに、何故か「D.N.A. ドクター・モローの島」の続編として扱われているSFアクション映画。本作に出てくる怪物バラカイは、細長い頭にガリガリの胴体とエイリアンを明らかに意識したデザインであり、また能力としてプレデターばりに透明化することができ、まさしく一人「エイリアンVSプレデター」状態な奴だ。しかし骨格と筋肉を剥き出しにしたグロテスクかつカッコいい胴体部分、森の中をハイスピード移動する機敏な様など、単なる偉大な二作品の模倣に満足せず、そこにプラスとなるオリジナル要素を加味しているのがこの怪物の良きところ。煮え切らないラストのせいでストーリーはいまいち爽快感に欠けるものの、ハイブリッド怪物の魅力が光る作品だった。
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