ザ・ニンジャ                「評価 C」
アフリカの小国で水質汚染の調査をしていた科学者たちが、突如出現したニンジャ軍団に襲われた。調査隊員は軒並み殺され、ただ一人生き残ったドミニクも人質として捕らえられてしまう。このニンジャ軍団を率いるのは、鉱山跡を拠点としている製薬会社。調査団を抹殺することで、廃液を垂れ流しにしている事実を隠蔽したのだ。しかしドミニクが捕らえられたことを知った夫のジョーは、相棒のピーターと共にアフリカへ来訪。悪の製薬会社に殴り込みをかけた…。
1993年、ニンジャ映画ブームがとうに終焉を迎えていた時に製作された徒花のような作品。「ノストラダムスはアフリカ大陸におけるニンジャの活躍も予言していたんだよ!」という冒頭部分からして頭が痛くなってくるが、それよりも凄いのはアクションシーンで、これでもかと言うくらいに珍展開が目白押し。例えば「チョットマテ!」と現れた敵ニンジャがジョーと戦う場面。ニンジャは見事な手さばきで武器を振り回し、ジョーを威嚇する。ところがその時、ジョーは拳銃を取り出して発砲! 銃弾を胸に受け、ニンジャは実に呆気なく死亡してしまいましたとさ……って、おい! 他には、組織のアジトに侵入したジョーが、ローラースケートを履いたニンジャ軍団に襲われる場面。ローラースケートには刃まで付いており、見るからに凶悪そうだ。ところがこのニンジャたち、バランスを取るのに精一杯で、足技を使ってくる気配がまるでない。どいつもこいつも刀を振ったり体当たりしたりで、ローラースケートの刃が全く生かされていないのである。何のために付けたのか甚だ疑問だ──といった感じで、爆笑必至の素晴らしい内容だった。アクションそのものは鈍重な動きが目立ち、俳優のやる気がこれっぽっちも感じられないのがまさしくブームの末期といった風で哀しくなってくる。だから純粋なアクションを楽しもうとするのではなく、こういった変な箇所を笑うのがこの映画の正しい見方と言えよう。

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