殺人サイボーグ リタリエーター 「評価 D」
地中海に浮かぶクレタ島。人々が平和に暮らすこの島で、ある日凄惨な乱射事件が発生した。事件を起こしたのはPLOの分派「自由闘士団」。彼ら組織は観光客を皆殺しにした後、アメリカ人の子ども二人を誘拐。子どもの命と引き換えに、組織に属する政治犯の釈放を要求した。しかし要求を聞き入れるわけにはいかないので、CIAは凄腕の始末屋・エリックたちを呼び寄せた。子ども救出の命令を受け、エリックらは自由闘士団のアジトに潜入。組織の連中を薙ぎ倒して見事任務を遂行したのみならず、組織の主要人物・サミラまで捕まえることに成功した。これで事件は無事解決したものの、政府はこの機に乗じてテロ組織を壊滅に追いやろうとサミラに改造手術を施した。超人化した上に洗脳を施されたサミラは組織の本部に帰還。アメリカ政府の命令通り、自由闘士団リーダーのハシムを抹殺した。ところがその時、何の前触れも無しにサミラの洗脳が解けてしまったのだ。自ら組織を滅ぼしてしまったことを知ったサミラは、エリックや政府に復讐を開始した…。
改造人間サミラがアメリカ政府相手に大暴れするSFアクション映画。しかし彼女が復讐する様にカタルシスを見出すことができず、どうも盛り上がりに欠ける印象だった。こうなってしまった理由は一つ、サミラが元々卑劣なテロリストであることだ。改造を施されてアメリカ政府の良いようにされたり、ブルドーザーに追い回されて怯え惑ったりしても、観ている側としては「まあ、仕方ないな」といった感情しか湧いてこず、いまいち同情する気になれないのだ。
更に映画の中盤では、エリックが政府の秘密を探るという、あっても無くてもストーリーの進行に何ら影響の無い場面が延々と続いて作品のテンポを著しく乱してくれる。車のドアを突き破る、甲高い声で相手の鼓膜を破裂させるといったサミラの超人技ぐらいしか見所のない作品だ。
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