レリック 「評価 C」
シカゴの港に漂着した貨物船。乗務員らは首を千切られ脳下垂体を除去されと無残な殺され方をしており、生きた人間は一人として乗っていなかった。警察はこれを重大事件と見て捜査を始めるが、一方で船の積荷は降ろされ、元々送られるはずだった場所へと運ばれていった。そして荷物の一つが、シカゴ歴史博物館へと送られた。送り主はアマゾンの探検に出かけたホイットニー博士で、荷物の中身はゼンゼラ族の石像と、カビの生えた葉。石像はともかくとして葉が送られてきたことを疑問に感じた研究員のグリーンは、葉に生えたカビを調べてみた。すると不思議なことに、カビには爬虫類の遺伝子が含まれていたのである。また博物館の近辺では、貨物船と似た手口の猟奇殺人事件が続発する。警察は用心のために博物館をしばらく閉鎖することを館長に勧めるが、数日後博物館では助成金を集めるための大規模なパーティーを催す予定になっており、それまでイメージダウンになるようなことは避けたいと、館長は彼らの申し出を棄却した。しかしパーティー当日、一連の殺人事件の犯人が博物館を襲撃してきた。葉を食べたことにより、おぞましい怪物へと姿を変えたホイットニー博士が…。
「ターミネーター」「プレデター」そして「U.M.A. レイク・プラシッド」などで活躍したSFXマン、スタン・ウィンストンのデザインするクリーチャーが素敵に猛威を振るうモンスター映画。中盤に一瞬だけ出てくる爬虫類化した甲虫も「ティックス」みたいな外見が魅力的だが、それよりも素晴らしいのが怪物化したホイットニー博士だ。プレデターを彷彿とさせる巨大な牙に、鱗に覆われた体表。そして背中に生えたたてがみと、マンモスのような重厚感溢れる体型。どれを取っても非の打ち所のない威厳に満ちた姿をしており、おまけに幾つものドアを壊しながらガンガン突進してくる勇猛さまで兼ね備えている。全身火達磨になってもめげずに獲物を追いかける男気を見せられては、モンスター好きなら惚れずにはいられないだろう。
だがストーリーは平凡で、パーティーのために博物館を開き続けて結局パーティー会場に怪物が現れる──という、ありがちにも程がある展開が堂々と使われていた。また怪物が現れた後も演出の薄さが足を引っ張り、いまいち盛り上がりに欠ける。怪物の魅力に他の部分がついていけなかった作品だ。
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