ミミックU                 「評価 C」
ニューヨークのスラム街で、男性が顔を剥がされて殺される事件が続発した。被害者は皆昆虫学者のレミーに近い人物だったことから、市警のクラスキーは彼女に接近する。しかし彼女が無実を主張し、また犯行の手口が若い女性には到底無理なものだったことから、クラスキーは犯人は別にいると確信し独自の捜査を開始した。一方で勤務先の学校にいたレミーは、思わぬところから事件の真犯人に遭遇する。昆虫密売人に保護され、絶滅を免れていた「ユダの血統」に…。
前作の批評で「次回以降はユダの血統の擬態能力を生かして欲しいものだ」と書いたら、この二作目で本当に擬態能力がバンバン使われていたから驚いた。しかも今作では殺した男の顔をコピーする新機能まで付加され、人間なのかユダの血統なのかが簡単に判別できなくなり、より能力の不気味さが前面に押し出されていた。また人間の顔がパカッと割れて中から虫の顔が出てくるカットもインパクト抜群。前回感じた不満点を見事に解消してくれた。
ところが今作、擬態以外の能力が完全におざなりにされているのが難点だ。ユダの血統には視覚がないはずなのに、視点から映したカットが何度か出てくる。また「ユダの血統は負の走行性を持つ」という説明が出てくるが、それなら前回強烈な光を放つ地下鉄に突っ込んでいったのは何だったのか疑問に思えてしょうがない。
更にはストーリーも冗長で、観ていてどうも緊迫感が持続しない。擬態能力以外はあまり感心できない作品だ。

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