血のロックン・ロール 「評価 D」
若者たちに大人気のロックバンド、ソリッド・ゴールド。このたび彼らは新曲のプロモ撮影のため、人里離れた雪山へとやってきた。撮影は当初順調に行われ、雪原には大音響のロックサウンドがこだました。だがこの行為は、自ら地獄へのドアをノックすることに他ならなかった。夫を殺したために世間から逃れ、四十年もの長きに渡って雪山の洞穴に隠れ住んでいた女性とその息子たち。今では半ば獣人と化している彼女らが、自分たちの領域を汚すロックンローラーどもに対し粛清を開始したのである…。
80年代のスプラッター・ブームの頃に製作された低予算ホラー。ロック好きの心をくすぐる邦題ではあるが、残念なことにソリッド・ゴールドの連中が演奏するシーンは一箇所しかなく、おまけにBGMもロックとは言えない曲ばかり。ゴア描写とロック・ミュージックとの取り合わせなど到底望めないので覚悟されたし。
またこの映画、低予算であるが故に場面移動が少なく、山中の廃工場に侵入した撮影隊の面々を世間知らず一家が首を落としたり高所から落としたりしてぶち殺していくという展開が延々と続く。殺しの場面は色々と凝った手口を使っているように見えるのだが、何せろくに照明が使われていないものだから、画面が暗すぎて何が起こっているのかさっぱり分からない場面が結構あるのが困りもの。四十過ぎてるというのに無邪気に戯れている子供たちの姿には戦慄を覚えたが、他の点については凡百のホラー映画の域を抜け出ていない作品だ。
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