キング・オブ・ロストワールド 「評価 D」
絶海の孤島に旅客機が墜落した。機体は空中で分解し、機尾部分にいた乗客たちは海岸に放り出された。助けを呼ぶには操縦席の無線機を使うしかないが、どうやら機首は島のジャングルに落下したらしい。そこで乗客のエドらは機首を探すべく、島のジャングルへと足を踏み入れた。ところがジャングルの中では、巨大蜘蛛や翼竜、巨大ゴリラといった恐ろしい生物たちが徘徊していたのである…。
原題が「KING OF THE LOST WORLD」なのに、なんでわざわざ「THE」を抜いた邦題にしたのか不思議でならないこの映画。まず注目すべきは主要人物の名前で、エド・マローンにジョン・ロクストン、チャレンジャーにサマリーと、コナン・ドイルの「失われた世界」に因んだものとなっている。他にもジャングルの個性溢れる怪生物やオカルトじみた部族など、恐竜こそ出ないものの「失われた世界」へのリスペクトはタイトルのみならずあらゆる面から見出すことができ、製作者のコナン・ドイルに対する愛が画面の向こうから伝わってくる作品だ。
しかしこの映画、海岸に残った怪我人たちがどうなったのか全く描かれないのを始め、ストーリーに投げやりな箇所が多く見られたのは感心できない。また目玉であるはずの怪生物たちも、稚拙なVFXのおかげでいまいち見栄えがしなかった。愛だけでは面白い作品が作れないことを証明したかのような映画である。
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