無邪気な悪魔におもちゃが8つ         「評価 B」
ハービーら8人の男女は、雪山のロッジに滞在して楽しい時を過ごすつもりだった。しかしシスター・ハンナと四人の子供達がロッジに迷い込んだことにより、彼らの幸せは無残にも打ち砕かれてしまった。彼女ら五人は遊びと称して、ロッジの大人たちを一人一人惨殺していったのだ…。
無邪気な子供たちが大人を陽気にぶち殺す、雪山版「ザ・チャイルド」といった趣の作品。とは言え子供が大人を殺す理由に超常現象的な説明を付けていた「ザ・チャイルド」と違い、この映画では一切の説明がされず、ただ殺しまくるのみ。そのためクレイジーな雰囲気と後味の悪さが「ザ・チャイルド」よりも五割増になっており、更に重低音と軽快なピアノ音とが同時に流れるBGMが、観る者に言い知れぬ不快感を植えつけてくれる。
殺害方法のバリエーションも、この映画の魅力の一つだ。作中で結構な人数が殺されるというのに、同じ手口の殺人が一つとして存在しないのである。単純に撲殺したり策を張り巡らせて死に追いやったりと、殺害する子供たちの個性に応じて色々と手口が変わっていくためにマンネリに陥らず、最後まで存分に嫌な空気を味わうことができる。静止画やスローを多用した演出が非常にくどかったものの、子供が大人を殺すというコンセプトに甘んじず、更なる面白さを盛り込もうという製作者の意気込みは感じられた映画だった。

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