キョンシーVSくノ一            「評価 C」
康熙帝時代の清王朝。導師モウは弟分のチャンチーと一緒に、数体のキョンシーを広東省まで護送する仕事を引き受けた。途中の山道で商売敵のマ家と遭遇し、一触即発の状態に陥るモウたちだったが、二人に降りかかるトラブルはこれだけではなかった。日本からやってきた麗しき女忍者が、妖術を使いこなす悪の導師ハーが、モウたちの護送するキョンシーを付け狙っていたのである。何でもキョンシーたちの中には皇帝の密書を携えた者がいるらしく、彼女らはそれを奪い取ろうとしていたのだ…。
CGやワイヤーアクションの出現によって、近年再び活気を取り戻してきた香港映画界。香港ホラーの永遠の定番でありながら一時期すっかり影を潜めていたキョンシー映画もまた、この煽りを受けて最先端VFXを駆使した新作やリメイク作がここ数年の間に続々と作られるようになってきた。ゾンビとも幽霊とも違うキョンシーは、まさしく香港映画ならではのもの。新作が撮られるのは純粋に喜びたいところだ。
さて、そんな新生キョンシー映画の一本がこの「キョンシーVSくノ一」である。白魔術や妖術や忍術が至る所で炸裂する賑やかな内容で、終始観ていて退屈させないところは如何にも香港映画らしい。ストーリーの方は本筋がしっかり定まっていないように感じられたものの、お調子者のチャンチーが女忍者とマの付き人との三角関係で四苦八苦する様子がコミカルに描けていたので、まずまず楽しむことができた。際物臭がプンプンする邦題ではあるが、無難に面白い作品である。
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