モンスター COLD&DARK          「評価 D」
犯罪組織を追っていた警官コンビ、ダークとシェイド。ある時組織の取引現場を押さえた二人だったが、シェイドは彼らの返り討ちにあって殺害されてしまう。ダークは相棒の死を目の当たりにして嘆き悲しむが、突如死体のはずのシェイドは起き上がり、何事もなかったかのように引き上げていった。その日からというもの、組織の人間が惨殺される事件が相次いで発生した。ダークははらわたを引きずり出された死体を見て犯人の卑劣なやり口に嫌悪するが、思わぬところで彼は事件の犯人と遭遇する。シェイドと一緒に組織のチンピラを追い詰めた時、シェイドの左腕が不気味に変化し、チンピラの内臓を抉り出していたのである。かつて組織に殺されたシェイドは、未知の寄生生物に取り付かれることでモンスターとして蘇ったのだ…。
スタイリッシュな映像が魅力的なイングリッシュ・ホラー映画。カット割りと照明を活用し、全編ダークな雰囲気で統一された画面が美しく、作品の禍々しさを盛り上げていた。また各登場人物の台詞も印象深いものが多く、特に署長がシェイドが殺人犯だと知らされたときに言った、刑事をゴルフクラブに喩えた台詞はあまりの格好よさに思わず真似したくなるほどだ。
しかしこの映画、美を追求するためにストーリーを犠牲にしているように思えた。と言うのも、いつの間にか話の表舞台から消えている登場人物が多すぎる。そのため一回観ただけでは何が何やらさっぱり分からず、話を追うのが困難極まりないのだ。二度三度と観れば作品のストーリーがぼんやりと掴めるようになるので、何度も見返したくなるほど映像や台詞回しが気に入るかどうかが鍵となっている映画だった。
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