悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル    「評価 S」
平和を取り戻したトロマヴィルに、新たな悪党・オムツギャング団が現れた。非情な彼らは養護学校を襲撃し、知恵遅れの子供たちを容赦なくブチ殺していく。そこで彼らの凶行を止めるために、メルビンが相棒の巨漢ラードアスを率いて養護学校にやってきた。二人は社会のダニ相手に大活躍。オムツギャング団の連中を千切っては投げ千切っては投げ、瞬く間に彼らを地獄に叩き落した。しかし狡猾なギャング団は爆弾まで用意しており、爆弾を食べたラードアスの屁が引火したことにより養護学校は大爆発。すると驚くべきことに、爆発のショックでメルビンは全てがアベコベの別次元へと飛ばされてしまったのである。この世界では毒々モンスターが裏社会を牛耳る大悪党になっており、善良なメルビンはわけもわからず警察に追い回される羽目になってしまった。一方、元の世界には悪の心を持った毒々モンスターがやってきて、平和なトロマヴィルを悪の巣窟に変えていった…。
第一作発表から15年後、トロマ社が満を持して放った「毒々モンスター」シリーズの四作目。トロマ社のシリーズ物は作品を重ねるごとに製作側のテンションが下がっていくのがお決まりのパターンだったが、この映画はスパンを置いて製作されたので息切れは全く感じられない。むしろ製作側の「考え付く限りのネタを詰め込んでやる!」という本気魂をスクリーンを通して全身に感じ取ることができ、久々にトロマ映画の真髄を味わわせてくれる作品となっていた。
いきなり冒頭で障害児大虐殺という危険度1000%な場面を出し、トロマ社の神をも恐れぬ低俗パワーが未だ衰えていないことを示してくれる。これでトロマ大好きな観客たち(私含む)のハートはガッチリ掴まれ、そのままラストまで怒涛のネタラッシュに酔いしれることとなるのだ。黒焦げにしてKKK団の集会場に放り込んだり、ソーセージ製造機に頭から投げ入れたりと、相変わらずの残虐ヒーローぶりを発揮するメルビン。原題や劇中のニュース映画など、たまに織り込まれる「市民ケーン」のパロディ。カブキマンがメルビンの親友という設定で、アイキャッチと一緒に御出演。そしてクライマックスの親子二代に渡る大バトルに加え、全編に渡って繰り広げられる下痢嘔吐射精ネタの嵐──。まさしくトロマ映画の集大成と呼ぶに相応しい壮絶な内容で、衝撃のラストまで終始笑いづくめ。素晴らしいまでに最低な馬鹿映画だった。
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