殺人鼠 KILLER RATS            「評価 C」
新聞記者のジェニファーは、精神医療施設民営化の実態を探るため、患者のフリをして潜入取材をすることにした。だが入院してから一日と経たずに、彼女はこの施設に渦巻く不穏な空気を察知する。矢継ぎ早に転院されていく患者たち。施設の仕事を手伝わされている怪しげな男。そして部屋で度々発見される鼠の群れ。ここで何が起きているのかを探ろうと施設の地下に潜ったジェニファーは、その一室で驚くべきものを目撃した。一人の男が実験に使われた無数のマウスらを飼い慣らし、彼らと会話していたのである…。
「ショック集団」と「ウイラード」を融合させたようなプロットのネズ公パニック映画。特に「ウイラード」からの影響は強く感じられ、薄暗い地下室でネズミたちと会話する知恵遅れ気味の男の姿は、まさしくウイラード青年そのもの。「ウイラード」は最近リメイク版がDVDリリースされたので、既視感に襲われた人も多いことだろう。
さすがにこれではまずいのでこの映画では、ネズミに噛まれるとウイルスに感染すること、それと小さいネズミたちを束ねる巨大ネズミを出すことでオリジナリティを出している。しかしウイルスは目が赤くなる以外に主だった症状が分からず、またVFXが稚拙なために巨大ネズミもいまいち画面に映えず、どちらも作品の長所と成り得ていないのが辛い。
脚本は伏線の生かし方が上手く、施設内のミステリアスな雰囲気も手伝って手堅く纏まっていたが、肝心のネズミたちについては「ウイラード」に匹敵する魅力を見出せない作品だった。
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