ブラド                    「評価 C」
リンジーら学生四人組は、ドラキュラ伯爵の研究のためにルーマニアを訪れた。しかし到着したその日から、彼女らの周りには怪しい影が付きまとう。実はドラキュラ伯爵の呪いが込められた聖なる首飾りをリンジーが持っており、伯爵と縁の深いドラゴン騎士団の者たちが何とかして首飾りを奪い取ろうとしていたのだ。そうとは知らずに、遺跡の点在する山を進む一行。だがやがて、彼女らの前に本物のドラキュラ伯爵が現れる…。
現代に蘇ったドラキュラ伯爵と若者たちが戦いを繰り広げる、オカルティック・ホラー映画。吸血鬼映画となれば設定に一ひねり二ひねり加えるのが当たり前となっている現代において、敢えて史実に基づいたドラキュラ像を描いていることが逆に新鮮に感じられる。また「ガーゴイル」同様にルーマニアでロケをしているため、古城や墓地といった建物は全て本物が使われている。さすがに内部のシーンはセット撮影だが、本物の遺跡が醸し出している禍々しさは作品のミステリアスな雰囲気を盛り上げるのに一役買っていた。
一方、この映画の最大の不満点はドラキュラ伯爵役の俳優である。「常に青白い顔をしている」と劇中で説明がされているにも関わらず、俳優の顔の暑苦しいこと暑苦しいこと。顔がアップで写るカットでは脂汗までくっきりと見え、これは明らかにミスキャストだ。ベラ・ルゴシやクリストファー・リーのような涼しげな顔に見慣れていると、俳優の顔の濃さが気になって堪らない作品だった。
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