ダーク・プレイス               「評価 B」
1963年、レンゲデ炭鉱。鉱夫のフランツとブルーノはいつものように仕事に励み、地下60メートルの坑道をひたすらに掘り進んでいた。ところがこの日、無理な採掘スケジュールが祟って大規模な水漏れが発生。彼ら二人を始めとする十数名の鉱夫が、坑内の空洞に閉じ込められてしまった…。
一見すると「ケイブ・イン」のパクリではないかと思わせるプロットだが、こちらは実在の事件を基にしたセミ・ドキュメンタリー映画。むしろこの映画で描かれている事件が「ケイブ・イン」に影響を与えたと見るべきだろう。 この映画において、序盤の洪水から逃れる場面、中盤のフランツが水に潜る場面を除けば、地下の鉱夫らは一切の冒険的行動をとらない。ただ落石に怯え、救助の遅さに苛立ち、日時が経つにつれて心身ともに衰弱していく彼らの姿を、淡々と描くことに終始しているのだ。これが実に克明な描かれ方をしており、特に地上側に生存を確認されてからの、救出トンネルが掘られるまで待たされる鉱夫たちの辛さは身に迫る思いをさせられるほどだ。災害前における人物説明が不足気味なのは難点だが、「ケイブ・イン」を面白いと感じた人ならば間違いなく楽しめる作品である。
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