食人族vs首狩族 「評価 B」
アマゾン育ちの女学生・キャサリンは、農場を経営する両親と共に実家近くの川をクルージングに出かけた。ボートは上流方向に進んでいき、原住民らの領地に入り込んだ。だがその時、両親は何者かが放った毒矢を受けて殺されてしまったのである。キャサリンもまた毒矢を受け、意識を失う。そして目を覚ましたとき、ボートには首狩族の集団が乗り込んでいた。彼らはキャサリンの両親の首を狩ると、キャサリンを連れて集落へと戻っていく。途中で食人族の襲撃を受けながらも、無事集落に辿り着く首狩族たち。キャサリンは美しい自然に囲まれた彼らの土地で、様々な未知の体験をすることになる…。
70年代に製作されたマカロニ秘境探検映画の一本。この映画で何よりも特徴的なのが、キャサリンが犯した殺人事件について裁判が行われ、証言台に立たされたキャサリンがアマゾンでの出来事を回顧する形をとっていることである。つまり映画が始まった時点でキャサリンが文明社会に生還するのは明らかになっており、それに併せてかジャングルでの出来事も他の秘境探検映画とは違い、キャサリンが窮地に立たされて大ピンチという展開が殆ど見られない。その代わりに本作では、アマゾンの雄大な自然の素晴らしさと、首狩族の青年とキャサリンの悲恋話を描くことに力を入れているのだ。勿論見世物小屋感覚の食人族映画である以上、本作にも虫葬の刑や首狩の儀式といった惨たらしいシーンはちゃんと挿入されている。だが原始社会に対するアプローチが独特で、この点は十分評価に値する作品だった(それにしても、食人族の出番が僅かしかないのにこんな邦題にした配給会社って…)。
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