ブルドッグ 「評価 C」
長期化するベトナム戦争。戦況を有利にしたいアメリカ軍は、黄金の仏像に隠された秘密文書を奪取するために、特攻野郎Aチームならぬ民間傭兵組織Bチームを雇い、戦場へと派遣した。米軍やベトコンの目を掻い潜り、何とか敵地に保管されていた黄金の仏像を入手するBチーム。ところが脱出地点に向かう途中、彼らは北軍と南軍とが正面きって戦っている間を通過しなければならなくなった…。
主演ロマノ・クリストフ&監督ケン・ワタナベ。「ニンジャ・ウォリアーズ」シリーズや「サンドー 地獄の勇者」でお馴染み(?)のタッグが、我らが日本の誇るアクション俳優・倉田保昭と小野進二と組んで製作した映画がこれだ。一見すると「敵地からの秘密文書の奪取」という非常にありふれたプロットであるものの、あのケン・ワタナベが作るんだから無難な内容になるはずがない。常人の発想を遥かに上回る超絶作戦が続々と登場する、荒唐無稽ここに極まれりな作品になっていた。
Bチームは西洋人と東洋人の混成部隊である。秘密の任務を背負った彼らは、アメリカ軍やベトコンに捕まらないため、アメリカ軍の前ではチームの東洋人を捕虜に仕立て上げて「捕虜を護送中だ」と言い、ベトコンの前ではチームの西洋人を捕虜に仕立て上げて「捕虜を護送中だ」と言う。こうして両軍入り乱れる戦場を悠々と通過していくのだ。たまには作戦がばれて犬に追い回されることもあるが、そんな時は囮として衣装を脱ぎ捨て、なんとフルチンで戦場を歩きまわる! 逞しい尻を晒して丘を越えるロマノ・クリストフや倉田保昭たちの姿を見ていると、つくづくケン・ワタナベという人物が恐ろしく感じられるぞ。
そして極めつけは、クライマックスの戦場突破だ。右手にアメリカ軍、左手にベトコンが陣取っている戦場を突破するために、Bチームはトラックの右半分をアメリカ軍のカラーに、左半分をベトコンのカラーに塗って通過しようとするのだ! こんな馬鹿げた作戦、普通考えても絶対に映像化しないッ!(←褒めてます) 数あるコマンド・アクション映画の中でもズバ抜けてお馬鹿な作品だ。
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