パラサイト 殺人寄生虫 「評価 C」
ミズーリ州の小さな農村で、飼育されている肉牛が変死する事件が続発した。事件を調べていた獣医学者のイーライは、死んだ牛の糞から新種の寄生虫を発見した。これが変死の原因なのは疑いないが、イーライは更に寄生虫の発生源として、食肉販売企業HTM社が提供している試験飼料に目を付けた。この飼料には肉牛の遺伝子を組み替える効果があり、より大きな牛が育つようになる一方、体内に新種の寄生虫を生み出す副作用があったのだ。しかしHTMの社長は会社に損害が及ばないようにと、イーライの意見を真っ向から否定し続けた。その間にも寄生虫で変死する牛は後を絶たず、やがて寄生虫は人間の体にも宿り始めた…。
狂牛病問題をモチーフにした、寄生虫ホラー映画。登場する寄生虫は始めこそヒルのような形状をしているものの、一度血を吸うと急激に大きくなり、最終的には吸血コウモリのような姿に成長して宿主の体を突き破る。ここまで成長すると翼を広げてグライダー飛行まで可能になり、このブッ飛んだ成長過程は観ていて非常に楽しい。ただ残念なことに、作中この飛行能力を生かした描写が殆どなく、寄生虫たちは翼があるというのに地面をノロノロ這ってばかりいる。折角の能力を活用しきれないとは、まことに宝の持ち腐れであるように感じられた。
ちなみに本作、悪役を単純な悪役のままで殺さず、人間的な面を見せた上で殺している。そのため悪役が死んでも妙な後味の悪さが残り、作品の禍々しい雰囲気を盛り上げていた。
GO TO TOP!!