キングコング2                  「評価 C」
ヨーロッパからは「クイーン・コング」、韓国からは「A*P*E」、香港からは「北京原人の逆襲」と、世界各地で数多くのフォロワーを生み出したにもかかわらず、あまりにも惨めな内容だったために鳴かず飛ばず仕舞いだった76年版「キングコング」。それが十年後になって、いきなり続編が製作されたというのだから驚くばかりである。
物語は前作のラストから始まる。バルカン砲を直撃し、貿易センタービルから転落したコング。しかしまだ絶命には至っておらず、政府機関はコングを保護して生命維持装置にかけていたのである。瀕死のコングを蘇生させるには、輸血用の血液が必要だ。だが十年経ってもコングと同種の生物は発見されず、このままコングは静かに力尽きていくかに思われた。とそんな折、冒険家のミッシェルから南海の孤島で巨大なレディコングを捕獲したとの報せが届いた。早速レディコングはアメリカに輸送され、彼女の血によってコングの蘇生手術が行われた。手術は無事成功し、コングとレディはすぐに大自然に帰されることになった。ところが初めてパートナーが見つかったことが余程嬉しかったのか、コングとレディは施設を脱走。そのまま外の世界へと新婚旅行に出かけてしまった。二匹を捕獲するために直ちに軍隊が派遣されるが、軍がコングらを抹殺しようとしていることを知ったミッシェルは、政府機関のフランクリンと一緒にコングを保護しようと動き出す…。
あのリメイク版の続編であるが故、本作のコングも序盤の間は繊細でか弱い存在として描かれている。政府に保護され、村のオヤジたちによって生き埋めにされ、挙句に顔面にゴルフボールをぶつけられる。中盤までの彼の姿は、前作同様にオリジナル版の勇姿など見る影も無い有様だった。ところがクライマックスに突入すると、それまで築き上げてきたリメイク版コングのイメージがあっと言う間に吹き飛んでしまう。装甲車軍団を相手に砂塵の中で勇猛果敢に戦うわ、レディコングの危機に颯爽と駆け付けるわと、近代兵器に押されっ放しだった前作からは想像もつかない三面六臂の大活躍を見せるのだ。彼の急激な変わりっぷりには仰天してしまうが、コングが漸く密林の暴君らしくなったという点では嬉しいのもまた事実。この対決シーンだけならば、オリジナル版のファンでも納得がいく作品だった。
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