世界最後の人喰い族 カニバル 「評価 B」
人類学者のロバートたち四人は、調査探検を行うべくミンダナオ島の密林を訪れた。だが到着するや否や、四人は密林に暮らす食人部族タジャドスからの襲撃を受ける。狩猟に長けたタジャドス族は密林の至る場所に罠を仕掛けており、探検隊の面々を一人、また一人と葬り去っていく。ロバートもやがて彼らに捕らえられ、獲物用の石牢に監禁されてしまった。しかし部族の娘と仲良くなったロバートは、彼女の手引きにより脱走。追っ手を振り切り、自分達が乗ってきた飛行機を目指して密林を歩き始めた…。
ルジェロ・デオダートが「食人族」よりも前に製作した秘境探検映画。完全に撮影隊の自業自得だった「食人族」とは違い、本作のロバートたちは知らず知らずのうちに食人族の領域に踏み込んでいる。そのため主人公たちに対して容易に感情移入ができ、映画そのものの後味も大分良いものになっていた。純粋に娯楽映画として観た場合、私は「食人族」よりも本作の方が好みである。
またこの映画、人間の傷口に無数の蟻を這わせたり妊婦が自らへその緒を噛み切ったりといった残虐描写ばかりでなく、秘境探検の醍醐味を味わわせてくれるのも嬉しい限りだ。筏による川下りや洞窟での簡易住居、そしてワニやコブラとの戦いと、未知の世界に憧れを抱く人間ならば思わず興奮で胸高鳴ってしまうようなシーンが本作にはこれでもかと言う位に出てくる。カニバリズム目当てに見るも良し、秘境冒険目当てに見るも良し。非常に娯楽性に富んだ映画だった。
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