北京原人の逆襲            「評価 B」
ヒマラヤに生息する古代生物・北京原人を追え! そんな川口浩探検隊ばりの使命を背負い、数名の仲間と共にヒマラヤへと向かった冒険家のジョニー。しかし旅路は予想以上に険しく、相次ぐ猛獣の襲撃によって仲間は次々と脱落していった。ジョニーもまたボロボロになり、もう探検の続行は不可能かと思われたその時だった。突如彼の前に、野生児スタイルの金髪美女が現れたのである。彼女はサマンサという名で、幼い頃に飛行機事故で密林に落ちて以来、北京原人に育てられていたらしい。そこでサマンサの手引きにより、遂にジョニーは北京原人と出会うことができた。噂の北京原人は何故か全長十メートル近くにまで巨大化していたが、心の広いジョニーはそんなことを気にせず、サマンサと北京原人を連れて香港まで凱旋帰国した。しかし香港に着くや否や、北京原人は彼の支援者だった男によって引き取られ、檻に入れられて見世物ショーに使われることとなった。更にその支援者の男は、ジョニーと別れたサマンサを捕まえると、北京原人が見ている前で彼女をレイプしようとする。その鬼畜非道な行いに北京原人の怒りの炎が燃え上がり、檻を破って暴れ出した!
76年版「キングコング」の話題性に肖って香港で製作された映画。前半の密林探検は安っぽい着ぐるみの人食い熊や合成丸分かりの象の群れなんかが出てきて失笑確実だが、映画のクライマックス、北京原人が香港の都市を暴れまわる辺りからは俄然面白くなる。日本の特撮スタッフが参加していることもあり、ミニチュアを駆使した特撮は迫力満点。このシーンの出来栄えだけでも、本作は76年版「キングコング」を遥かに凌いでいると言ってもいい。
しかし本作、全体的に下品である。ベッドシーンやシャワーシーンがねちっこく映されたり、ドロドロの三角関係話があるだけならまだしも、見世物ショーの観客が北京原人に向かってゴミを投げつけ罵声を浴びせと、マナーに欠けた態度をとっていたのはさすがに辟易とさせられたぞ。こういった部分をどれくらい許容できるかによって、本作に対する印象はだいぶ変化するだろう。
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