キラー・シャーク 殺人鮫      「評価 C」
絶海の孤島に研究所を構え、幹細胞の再生方法を研究していたキング博士。ある時、人間に鮫の遺伝子を組み込むことによって幹細胞が再生できることに気づいた彼は、早速末期癌に侵されていた息子ポールにこの技術を適用し、見事命を救うことに成功した。しかし鮫の遺伝子は次第にポールを人とは遠い姿にしていき、やがて水陸両方で活動ができる凶暴な鮫人間へと変えてしまった。理性を失ったポールは、島を訪れたトムたち製薬会社の面々に襲い掛かる…。
「ドクター・モローの島」にコマンド・アクションと鮫への只ならぬ愛情をミックスして作ったような映画。作品の顔となる鮫人間のポール君は、陸上で全体像を現すシーンが無いのでモンスターとしての迫力に欠けるものの、人間を食い殺すシーンではバケツ一杯分ぐらいの血糊を豪快にぶちまけ、スプラッター好きの心を揺さぶってくれる。しかし本作の真の見所はそんなポール君ではなく、トムの度を越したハッスルぶりの方にあると言わざるを得ない。製薬会社のIT部門担当という不健康そうな役職についていながら、その筋肉はアクションスター級のボリューム(と言っても、本当にアクション俳優が演じているんだが)。博士の傭兵軍団が放つ銃弾の嵐を難なく掻い潜り、幾度の銃撃戦も無傷でやり過ごすという超人技を見せ付ける彼の前には、本来の花形であるポール君ですら完全に霞んでしまっている。モンスターが暴れる様よりも、マッチョ男の活躍の方が面白いという妙ちくりんな作品だった(これでトムとポール君の対決がきちんと描けていたら、「プレデター」みたいにモンスター映画として面白くなれたのに…)。
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