オープン・ウォーター 「評価 B」
カリブ海へバカンスに来た夫婦、ダニエルとスーザン。ホテルに一泊した後、ダイビングボートに乗った二人は、他の観光客らと共に海に潜って自然の美を存分に満喫していた。ところが二人が海上に上がった時、そこにボートの姿は無かった。乗組員が参加客の数を数え間違え、ボートは二人だけを残してマリーナに戻ってしまったのである。広大な海の真ん中に置き去りにされ、絶望する二人。そんな彼らに追い討ちをかけるが如く、周りには次第に鮫が群がってきた…。
サンダンスを震撼させた、実際の事件に基づく鮫映画。初めは楽観視していた二人が、不安に駆られてヒステリーに陥り、そして気力を失っていくまでの様子を突き放した視点から淡々と描写している。寄ってくる鮫に対して成す術も無く、ただ食われないことを祈るばかりという状況があまりにもリアルで切ない。暗く陰鬱な雰囲気が素晴らしい、見ているだけで気が滅入ってくる作品だ。
しかしこの映画、後半に僅かに希望を持たせるシーンが出てくるのは些か蛇足に感じられた。観光団体から文句がくるのを回避するためだろうが、このシーンのおかげで作品が持つ圧倒的な絶望のイメージが削がれ、儚いラストシーンに対する感慨も薄れてしまった。
鮫映画一覧へ
GO TO TOP!!