郵便処刑執行人               「評価 D」
郊外の住宅地に暮らす青年ダニエル。彼は優しい姉のべスや親友のジェイに囲まれて幸せな日々を送っていたものの、ある日を境に彼の日常は突如音を立てて崩れていった。街に現れた新任の郵便配達人ダリウス。彼は市長の弱みを握っているのをいいことに、集められた郵便物を盗み見したり、自分の秘密を探る者を惨殺したりと、やりたい放題の狼藉を働き始めた。更に彼はダニエルに近づき、こう告げたのである。「俺とおまえは実の兄弟だ」と…。
「その殺し、当日消印有効」という宣伝コピーが笑える、アルバトロス・コア発の郵政事業サイコホラー映画。ありとあらゆる悪事を行って街の郵便を滅茶苦茶にするダリウスの下衆ぶりが光るが、事件の中心人物であるダニエルの心的描写が少ないために話が薄っぺらく感じられるのは如何なものだろうか。このストーリーの煮え切らなさは余韻もへったくれもないラストによって一層悪い方向に進み、結果としてダリウスの腐った人間性しか印象に残らない作品となっていた。本作にサイコホラーという筋を通すためにも、ダニエルの葛藤により力を入れて欲しかったところである。
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