バンビ対大怪獣ゴジラ 「評価 B」
花咲き乱れる野原。仔鹿のバンビが美味しそうに草を食んでいるところから、この物語は始まる。バックには牧歌調の穏やかな音楽が絶えず流れ、画面左上に本作のタイトル「Bambi meets GODZILLA」が浮かびあがる。バンビは時折前足を動かしたり、首を上げたりしながら、同じところの草を何時までも何時までも食べ続けていた。そして画面左側では、スタッフの名前が下から上へと流れていく。
written by marv newland
screenplay by marv newland
choreography by marv newland
bambie's wardrobe by marv newland
produced by marv newland
marv newland
produced by mr. & mrs. newland
流れるテロップは次第に速度を増していき、画面には自然と緊張感が湧き上がってくる。そして全てのテロップが流れ終わった時、それは起こった。「ガガーン!」という強烈なピアノ音と同時に、上からゴジラの足が降りてきてバンビの体を踏みつけたのである! 哀れペシャンコになるバンビ。ズーンと重苦しい音が響き渡り、画面右上には「the end」とテロップが出た。
しかしまだ物語は終わらない。エンドタイトルが消えた後、次のようなテロップが出てくる。
we gratefully acknowledge the city of tokyo, for their help in obtaining godzilla for this firm.(この映画にゴジラを出させてくれた東京都にとても感謝しています)
そして最後にゴジラの足の指が僅かに動き、この映画は終わった…。
本当に一発ネタとしか言いようのない内容の、僅か一分半のアニメーション映画である。ネタ自体は誰もが考え付きそうなものであるにもかかわらず、バンビが草を食む前半の長閑さとゴジラがバンビを踏みつける後半の異常さとのギャップが凄まじい故に、実際に目にしたときには只ならぬ衝撃を感じてしまうのだ。更にラストで流れ続ける重苦しい音によって、観終わったときには言い知れぬほどの不穏な気持ちがこみ上げてくる。僅かな時間で人の心に嫌なものを植えつけてくれる、実に恐ろしい映画だった。
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