カタストロフ 「評価 C」
警察官のジャックはテロリストの車を追跡中に事故に遭い、二日間ほど意識を失っていた。ところがそのショックで彼は予知能力に目覚め、未来のことが白昼夢のように浮かび上がってくるようになったのである。地震、脱線事故、ガス爆発と、次々とフラッシュバックしてきては実現していく未来の出来事に戸惑うジャック。そんなある時のこと、彼の脳裏にテロリストに誘拐される息子の姿が浮かび上がった。彼は息子を助け出すべく、予知能力を駆使してテロリストの拠点へと向かった…。
1999年が過ぎてからというもの、とんと世間の注目を集めなくなった能力「予知」に焦点を当てたSFアクション映画。本作では予知能力のことを「時間を線で理解することができる一種の才能」と定義づけており、特殊部隊が出てくる冒頭の場面の意味が後半になって漸く語られるといったように、この定義に併せて作品自体も次第に一本の線に繋がっていくような構成になっているのが面白い。しかしこの映画、このような構成や災害シーンの演出に力が入れられている一方、ストーリーの盛り上げ方が不足しているように感じられたのは残念だった。ジャックが自らの予知能力を完全に把握するまでに映画の大半を費し、そのあおりを受けてかクライマックスの対決シーンは非常に急ぎ足。テロリスト集団の最終目的すらも釈然とせず、対決のカタルシスを大いに削いでいたのである。題材に対する考察や災害描写は見物だが、アクション映画としては感心できない作品だ。
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