パニック・イン・ザ・ビルディング 「評価 B」
ユタ州で大規模な地震が発生し、その時発生した地盤沈下で八階建てのビルが地中に埋もれてしまった。そこで災害救助のプロフェッショナルであるマザー家の面々──スタン、フランク、コディの三人が集結し、ビル内部の住民らを助けるために活動を開始した。彼らの息のあった連係プレイによってビル内部の住民を粗方助け出し、いよいよ救出活動が終わろうとした時、コディは災害現場にいた女性から娘がビルの一階にいると告げられた。地盤沈下で水道管が破裂し、地中深くには徐々に水が溜まってきている。それでも娘が生きている可能性を考え、コディは再び地中のビルに潜り込んだ…。
地盤沈下モノとしては、「ホスタイルグラウンド」を5年以上も先取りしていた作品。だが予算の都合上、本作には災害が発生する描写は一切なく、いきなり地中にビルが埋まった状態から始まり、救出のみに重点を置いた内容になっている。そのため冒頭のシーンを観た時は、パニック映画の骨子である災害シーンを省いては腑抜けた作品になるのではと危惧してしまったものの、結局それは杞憂に過ぎなかった。マザー家の面々による人間ドラマや地中のビルを探索する時の洞窟探検のような雰囲気が代わりの支えになっており、他のパニック映画とは異なる独特の味を醸し出していたのである。スペクタクルな要素を排してもパニック映画が成立することを、身をもって証明した作品だ。
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