アバランチ インフェルノ             「評価 A」
アラスカ。ヘリ操縦士のニールは給油会社に雇われ、環境保護局のリア博士と共に建設中のパイプラインの調査に向かうこととなった。彼らは古くからの友人だったが、二年前の雪崩でリアの恋人ジャックが死んで以来、二人の間には溝のようなものができてしまっていた。ニールは何とかして昔のように戻りたいと願うものの、ジャックを失ったリアの心の傷は深く、なかなか打ち解けることが出来ない。とそんな中、ニールとリアは自分達の命を狙う謎の存在に気づいた…。
90年代後半から2000年代初頭にかけて、突如何かに憑かれたかのように大量に製作された雪崩映画。本作はそれらの中でも決定版と言ってもいいだろう。まず何といったって本作、パニック映画のツボを心得ている。雪崩が目前に迫っているところからのヘリの離陸や、セスナ機とヘリの空中戦といったスリリングな見せ場が充実しており、特にクライマックスの雪崩による都市破壊シーンでは、押し寄せる雪によってビル群が破壊されていく様子が美麗なVFXで描かれ、あらゆる雪崩映画の中でもトップクラスに君臨する迫力を見せつけてくれるのだ。更に脚本の方も、「ニールとリアの和解」という大筋を中心に破綻なく進行しており、雪崩シーンなどのスペクタクルな部分に決して引けをとっていない。都市破壊があった割には一般市民の阿鼻叫喚が大して見られなかったのは残念だったが、パニック映画の醍醐味を満喫するにはうってつけの作品だった。
あとこの映画、リアが環境保護局の人間ということもあってか、作中にホッキョクキタキツネやオオカミの子供、それにホッキョクグマといった雪国の動物が度々登場して場を和ませてくれる。彼らの愛嬌ある姿は隠れた見所だ。
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