タワーリング・ファイヤー N.Y.特攻消防隊24時   「評価 D」
一癖も二癖もある消防隊員らが働く、ニューヨーク市消防庁第五分署。最近ここの隊員たちが、消火作業中に狙撃されるという事件が頻発していた。警察は事件の犯人を探ろうとするものの、被害者である第五分署の面々と折り合いがつかず、なかなか捜査は進展しなかった。するとそんな中、ノイローゼ気味の消防隊員マイケルが、犯人を捕まえようと独り無謀な行動に出た…。
ニューヨークの消防隊員たちの姿を等身大に描いたという点で、「サード・ウォッチ」を少しばかり先取りしている作品。とは言え多すぎる登場人物を纏めきれていないのでストーリーは終始グダグダな他、消火シーンは短い上に迫力に乏しく、邦題の「特攻」という言葉から受ける男らしいイメージを期待しているとずっこけること確実である。更に唯一の「事件」的要素である狙撃犯の問題もごくごくあっさりと解決されてしまい、最後までろくに盛り上がることが無いまま映画は終わってしまう。本当に、消防隊員の日常を描くことだけに徹したような映画だった。しかしその分、消防士たちが日ごろ被っている苦労だけはしっかりと伝わってくる。家族との時間を犠牲にして仕事に励んだとしても、火災現場で助けた人間から感謝されるとは限らない。こういった苦労描写が本作には過剰と思えるほど盛り込まれており、マイケルが自暴自棄になっていくまでの過程に十分な説得力を与えていた。この点に関しては、誉めるに値する作品である。
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