悪魔の改造人間 「評価 C」
宇宙開発研究所の科学者として順風満帆な人生を歩んできた男、カール・レイマン。彼はある日、研究所の爆発事故によって儚くも命を落とした。だが、この事故は仕組まれたものだった。上司のホワイトが死者蘇生の実験を行うため、意図的に彼を抹殺したのである。ホワイトは彼の死体を極秘に回収すると、その脳を不死身の改造人間の体へと移植した。実験は成功し、改造人間として蘇るカール。しかし彼は間もなく研究室から脱走し、自分をこのような姿にしたホワイト達に対して復讐を開始した…。
「フランケンシュタイン」をモチーフに、日本の特撮ヒーローモノのテイストを取り入れて製作されたこの映画。不死の身体を渇望する科学者の狂気の他、人で無くなったカールが妻に姿を見せられず苦悩するといった初期の「仮面ライダー」を彷彿とさせる悲劇的な要素も盛り込まれており、この手の話が好きな人間には嬉しいところ。また本作は「スペースインベーダー」「エイリアン2」で活躍したスタン・ウィンストンがSFXに携わっており、頭のプロテクターを外すと脳みそが剥きだしになる、まるでハカイダーのような改造人間カールのデザインはグロテスクで良い感じ(光線銃のアニメ処理は不自然すぎて感心できなかったが)。
だがこの映画、メインモチーフが「フランケンシュタイン」のため仕方ないとも言えるが、カールを始め後半に登場する他の改造人間たちもことごとく動きが鈍重で、日本の特撮ヒーローモノに見慣れている身としては戦闘シーンがいちいちもどかしく感じられてならない。カールが氷に閉じ込められて動けなくなる場面では、その氷を輸送していたトラックが事故に遭ったおかげで脱出できるようになる…と完全に偶然に頼った助かり方をしているのも、作品のテンションを下げる一因を担っている。一人の科学者の悲劇としては比較的良く出来ていると思ったが、アクション面では全くと言っていいほど冴えない作品だった。
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