キングスパイダーVSメカデストラクター 「評価 C」
殺人蜘蛛と原爆によって壊滅した都市、ロスアンゼルス。ここでは未だに殺人蜘蛛が跋扈していたが、対殺人蜘蛛用に開発された二人乗り巨大ロボット「メカデストラクター」の活躍により、生き残っていた蜘蛛たちも尽く殲滅されていったのである。一方その頃、ポールという男が殺人蜘蛛のサンプルを手にラスベガスへと来ていた。軍の施設からサンプルを盗み出した彼は、それを売って大金をせしめようとしていたのだ。軍の人間が必死になって彼を追ったが、その奮闘むなしく、ポールは殺人蜘蛛が入ったケースを開けてしまった。瞬く間に蜘蛛たちがケースから溢れ出て、ポールは全身を食い尽くされて死亡した。更に蜘蛛たちはラスベガスのホテルに潜入し、宿泊客らに牙を剥く! エリア51はこの事態を聞きつけ、ラッドとオースティンにメカデストラクターに搭乗して、ベガスの蜘蛛を殲滅するように命じた。二人はメカデストラクターに乗ったものの、ラッドはどうも気が向かなかった。なぜなら彼の元彼女クリスティンはベガスで働いており、戦いに巻き込んでしまう危険があったからである。そこでラッドは外部との連絡をしてはいけないという規則を破り、クリスティンに「蜘蛛が襲撃してくるから早く逃げろ」と携帯電話で連絡した。ところがクリスティンは彼の話を全く信じてはくれない。そうこうしている内に、殺人蜘蛛と軍の攻撃によってベガスは戦場と化したのである…。
あのだるい脚本と駄目駄目な演出、それと無数の蜘蛛によって構成された映画「キングスパイダー」に続編が出た! 今回は更に軍が開発した巨大ロボット「メカデストラクター」まで登場し、その「ロボ・ジョックス」的なデザインで素敵に暴れまわってくれる。また前作では軍とバンドのドラマ部分が完全に分離していた脚本が、今回はラッドとクリスティンによって軍とホテルの間に繋がりを持たせることで改善されていたのを始め、幾分か進歩の跡が伺わせるものになっていた。演出面でもメガデストラクターがタワーの上から転落しそうになってジェット噴射で持ち直すシーンなどで奮闘しており、正直言って本作は前作よりも遥かにマシな出来になっていた。しかし、しかしだ。前作が一発ネタとしてしか許容できないものだったから、その続編を作ってもインパクトが薄れるだけで、本作を観ていてもさほど盛り上がることはできないのである。芸人の同じネタを繰り返し見せられたような、そんな印象がする映画だった。
(余談だが、本作の字幕は天下のアルバトロス・コアとは思えないほどに酷いものだった。「供給管」が「供給菅」になっていたり、「メカデストラクター」が「メガデストラクター」になっていたり…)
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