ネクロマンティック2 「評価 B」
前作で自害して果てたロベルトは、墓の中で静かな眠りに就いた。しかし彼が犯した罪は、自殺だけでは到底贖えるものではない。更なる受難が、死んだ彼を待ち受けていたのである。警察やマスコミらによって彼の部屋が掻き回され、その結果、彼の名は自殺した死体愛好家として新聞にも載せられた。するとその記事を読んだ死体愛好家の女が彼に欲情し、あろうことかロベルトの墓を暴き、死体を盗み出してしまったのだ。かつてロベルト自身がそうしたように、ロベルトの死体を玩具のように扱う女。一方で彼女の恋人には死体愛好の趣味が無く、彼女は彼との平凡なSEXに物足りなさを感じていた。そこである日、彼女はある決断に踏み切った…。
生前の因果応報と言わんばかりに、ロベルトの死体が弄ばれてしまう続編。映画史上類を見ないほどのねちっこい死体解体シーンや、劇中で流れるアザラシの解剖ビデオ、そしてラストの身の毛がよだつ死姦と、グロテスクな場面はどれもこれも前作に匹敵するインパクトがあるものの、量は前作に比べると少なめ。その分本作は、性癖の違いに苦悩する女性の内面描写に費やされており、よりテーマ性を前面に押し出した内容になっていた。彼氏と遊園地でデートをしていても、女はロベルトの死体のことが頭から離れない。ソフトクリームの感触にロベルトの唇を、恐怖屋敷の骸骨の模型にロベルトの体を思い出す。勿論女は彼氏のことを愛していたが、元より死体愛好家の彼女にとって、彼は興味対象外の存在である。この矛盾が心にすれ違いを生じさせ、やがて彼女に恐ろしい考えを起こさせる──。本作はこの過程を丁寧に描いてはいるものの、いかんせん尺が長すぎた。おかげで話が散漫になっており、テーマ云々以前に観ていて退屈してしまうのだ。できれば映画館あたりの場面をもう少し短くして、きっちりとまとめて欲しかったところである。
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