ネクロマンティック1 「評価 A」
交通事故や不意に起こった事件により、町では今日も人が死んだ。生じた死体は道路清掃会社の手によって回収・処分されていくのだが、そこの作業員のロベルトが本作の主人公である。屍体愛好者のロベルトは回収した死体を自分のアパートに持ち帰り、同棲相手のベティと一緒に淫らな死姦行為に勤しんでいた。彼らの恍惚の日々は永遠に続くかに思われたが、ある日ロベルトは勤務態度が悪いという理由で清掃会社を解雇されてしまった。これではもう新しい死体を持ってこれまい、とベティは彼を見捨ててアパートを去っていった。仕事にかこつけて死体を集めることもできなければ、嗜好を共有する仲間もいない。孤独に苦しんだロベルトは、自分で人を殺してパートナーを作ることを考えるが、いざ実行に移して見ると罪の意識に苛まれて死体を愛する気になれなかった。欲求を満たすどころか、一層深く苦しむロベルト。やがて彼はナイフを手に取ると、それまでの罪を贖うかのように自らの腹を何度も突き刺した…。
究極の変態行為「死姦」を真正面から取り扱った、キング・オブ・グロ映画。死体の股間に棒を刺してペニス代わりに使用する、飛び出た目玉を吸い込んでまた同じところに収めるなど、数々の壮絶な死姦プレイが拝める他、生きたウサギの皮を剥いで壁に張り付けたり、猫の入ったビニール袋を何度も壁に叩きつけたりと動物虐待の場面も充実しており、健常な理性の持ち主ならば反吐が出ること請け合いの非常にアンモラルな内容である。しかしただグロいだけでなく、痛みを感じることによってロベルトの中にある罪の意識が消えていくのを、ウサギ解体シーンの逆回しとロベルトの大量射精によって表現しているのは結構巧いように感じられた。今まで散々胸糞悪い思いをしてきたのに、この場面を見ると本作は一人の青年の罪の浄化を描いた物語なんだなあと思えてしまうから不思議だ。
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